2015年9月27日日曜日

【ラグビー】中央大学ラグビー部 リーグ戦2試合を終えての個人的雑感



チームのかたちを示し、結果も連勝。現時点では満額の回答が得られたと言っていいだろう。

リーグ戦の第2節の相手は大東文化大。クルーガー・ラトゥなど強力なバックス陣を有するチームであり、大東大出身の酒井HCが中大に就任して以降、毎年ターニングポイントとなる試合を繰り返していた。因縁の相手と化していると言って良いだろう。

試合開始早々、WTBのサウマキに簡単に突破を許してしまい先制トライを奪われる。18分には川向にもトライを奪われ、「相手のテンポに合わせてしまう」悪い癖が出てしまう。
しかし、不思議とこの試合では幸運に恵まれた。26分の敵陣5mラインでのラインアウト。大きくボールをふかして万事休す……と思いきや、FLの佐野が大外で待っており、これを見事キャッチ。FWの力強い突破からPRの三宮がトライ。さらにロスタイムにはインゴールゾーンで相手のキックミス。このボールを福田が奪い取り、これまたラッキーなトライ。苦しみながらも前半は同点で折り返した。

後半早々佐野がトライを奪いリードするも、しばらくは一進一退の攻防を繰り返す。そして、後半18分に山下主将がシンビン。前半からレフェリーの笛に中大はなかなか適応できていなかっただけに、嫌な空気がスタンドに流れた。
その時と同じくして、足をつってしまいストレッチを施す大東大の選手がいた。1年時から主力として大活躍するSHの小山だった。
僕はこの瞬間、「このシンビンを乗り越えられるかもしれない」と感じた。
フィットネスは中大が春から鍛えてきた要素。1名少ないとは言え、相手が疲れていれば致命傷にならないかもしれない。






予想通り、この10分間試合の分岐点になった。結果として1トライは奪われたものの大東大はリードする事ができず。さらに小山も後半32分に交代。形勢は一気に中大へと流れていった。
後半38分にモールを押し込み途中出場の天田がトライ。さらにロスタイムには副将の渡辺が40m近くを独走。大東大のディフェンスは追いかける事ができなかった。31ー14で中大が勝利し、開幕2連勝という最高のスタートを切った。

開幕2試合を終え、東海大と流通経済大という2強への挑戦権を無事に中大は得たと言っていいだろう。10月上旬の2試合は非常にタフな戦いになると思うが、ジャイアントキリングの可能性はゼロではない。

法大戦、そして大東大戦で発揮されたのは「フィットネスの強さ」、要するに「体力勝負ならば負けない」ということである。
2試合で9トライを奪っているが、そのうちラスト10分で決めたのが3つ。かつ、この時間帯での失点はゼロである。もちろん、序盤から主導権を握れるに越したことは無いが、逆転可能なビハインドであればラスト10分を悲観する必要はないだろう。
何より、大東大戦では個々の体格とスピードで勝る相手から白星を奪ったという事を忘れてはならない。セットプレーでのミスも去年と比べれば格段に減っている。
上位2校へのチャレンジは難しいお題目ではあるが、その一方でとてもワクワクしているのも事実だ。ブライトンでスプリングボクスを破ったジャパンは、最後の最後まで走り負けなかった。その姿が不思議と上柚木の中大戦士たちの姿とも被ったのである。
「体格のラグビーを覆すには、体力のラグビーを極めるべきだ」。この言葉は大学ラグビーの片隅でもきっと具現化されていくだろうと、僕は大きな期待を寄せている

※筆者本業の都合上、10月は中大の試合を見に行けません(涙) 予めご了承下さい。11月1日の三ツ沢でお逢いしましょう!

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