2015年9月10日木曜日

【今日の雑感】マイナースポーツ界に「辛口評論家」は必要か?



・「サッカーコラム J3 Plus+」という老舗サッカーブログでこのような記事がアップされていた。

1位はセルジオ越後さん、2位は武田修宏さん、3位は清水秀彦さん。「苦手なサッカー解説者」に関する投票結果をまとめてみた。

類似した内容の記事の参考として、下記の記事もリンクを貼っておこうと思う。こちらは2013年の記事だが、初めて読んだとき「そうだそうだ!」と思ったのを覚えている。

「辛口評論家」はなぜ好まれないか?

このように、「ネガティブな発言」や「批判のための批判」を繰り返す解説者/評論家は、サッカー界ではあまり好かれない傾向にある。
一方で、口ぶりが穏やかでかつ説得力のある解説者は好かれる傾向にある。また、松木氏や玉乃氏のように「ポジティブに相手(視聴者)を巻き込む」人物が(賛否両論激しいとはいえ)好まれているのは興味深い傾向だ。
紆余曲折を経つつも成熟しつつあるサッカー界では、ポジティブな発言は感情的に、ネガティブな発言は論理的に行うと好かれやすい/共感されやすいという事ではないだろうか。


・先日バスケの試合を観戦し、色々と情報を集めていたところ「バスケ界にもセルジオ越後や松木安太郎のような解説者が必要だ!」という旨の発言を見かけた。後者は僕も好きだし別に良いのだが、前者には思わず「うーん」となってしまった。
実を言うと、ラグビー界でも「セルジオ越後待望論」と言うものがある。不甲斐ない運営を続ける日本協会や、ラグビー界を牛耳る(と言われている)特定の大学ラグビー部に対して辛口の評論を! と訴えるものだ。その根拠は「とにかく批判をぶつけて、閉ざされた言論状況に風穴を開けて欲しい」というものである。
マイナースポーツのように協会(運営者)と記者との距離が近いと、体制側の締め出しというリスクもを恐れて批判がし難いという側面もこのような動きを生み出している。(実際そういう事があるのかどうかは、正直いちファンの自分ではわからない)

・つまり、マイナースポーツ界において「辛口評論家」という存在は、「現状の不満を自分の替わりに解消できる存在」なのだろう。また、その役割を自分で担わんと言わんばかりに、過激な発言を続けて共感を得ているスポーツファンも少なくはない。
個々人の思想や発言についてはとやかく言わない。ただ、辛口な発言はこれからその種目を成熟させる上で本当に必要なのか、あるいは真にその辛口なメッセージは「これからファンになる/なりそうな人」に本当に届いているのか/共感されるのかを、もう少し考えて欲しいのである。

冷静かつ論理的に評価を下せるサッカー界を見ていると、一部のマイナースポーツで見られる感情的な言動には、僕は正直なところ憂いざるを得ないのだ


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