第2試合終了前後になると、体育館は8割ほどの人で埋まっていた。日本バスケ復活への第一歩に、多くのファン・関係者が期待しているように見受けられた。
リオ五輪予選も兼ねているバスケットボールアジア女子バスケットボール選手権大会。五輪予選前では最後の強化試合が代々木第2体育館で行われた。
今回は第1試合のヤング隼女子日本代表(※23歳以下のメンバー構成)と女子日本代表の試合を観戦した。(時間の都合上、男子日本代表の試合はおいとませざる得なかったのですが……)
バスケット自体はbjリーグやNBLなど年に1~2試合は観ているが、代表戦は今日が初めてだった。
日本バスケットボール界を巡るゴタゴタ劇は、バスケに興味の無い方にとっても記憶に新しいところだろう。運営管理が杜撰だったアマ側、強烈なイデオロギーで共存を拒んだプロ側。この対立の先に待ちかまえていたのは、国際制裁という最悪の結果だった。僕個人としては、今回の一件はどちらも支持することはできない。
そんな中、川淵三郎という強烈なリーダーシップの元で問題は収束し、ようやく明るい展望が見えてきた。特に、五輪行きも充分射程圏内にありながらも、同じく制裁の憂き目にあってしまった女子バスケ界にとっては待ち望んでいた「吉報」だろう。
そんな女子代表の両試合を振り返ろうと思う。
第1試合のヤング隼女子対タイ代表戦は残念ながら「ミスマッチ」と言わざるを得なかった。スコアは128-30。100点ゲームどころか「100点差ゲーム」にすら成り兼ねなかった。
一方的すぎて退屈な試合の中で、藤岡の素早い縦パスは非常に印象に残るものだった。また、高い位置でボールを奪い、素早い攻守の切り替えから得点に繋げていた点も大いに評価したい。
制裁によりU-19世界選手権への参加見送りという憂き目にあったプレーヤーも、今回のヤングジャパンには含まれているとのこと。悔しさを晴らす舞台としては小さすぎるかもしれないが、今後も代表として戦う上での貴重な経験になって欲しい。
第2試合の女子日本代表戦も74-33というダブルスコアで快勝。大会通しても3戦3勝。良いモチベーションでで五輪予選にも挑めそうである。
序盤は台湾代表のしつこいディフェンスに手を焼いたが、焦らずにシュートチャンスを着実に決め、得点差を広げていく。
圧巻は第4ピリオドだった。運動量ががくっと落ちた台湾代表に対し、日本代表は素早い攻守の切り替えでシュートの山を築き上げる。このピリオドは19-2と相手を全く寄せ付けなかった。
若いメンバー構成ではあったが、それを感じさせないほどの「一体感」がチーム内で醸成されていた。中国でのアウェーゲームは厳しいものになると予想されるが、これから合流する海外組の渡嘉敷らも含めて、貴重な1枚の切符を得て欲しいと切に願う。
一体感、というのは今後のバスケットボール界の課題なのかもしれない。
観客数は多かったが、国内のリーグ戦で感じられる様な「応援のムード」は少々物足りなかったと感じる。長い対立が「代表戦」という場所から、そういったモノを奪ってしまったのだろうか。
バスケットボール界は新たな文化づくりへ第一歩を踏み出している。
そして、ひたむきな選手達のプレーを見ていると、その歩みを決して止めてはいけないという気持ちが一層芽生えてくるのであった
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