馬を観に立会川へ行ったり、数年前に羽田空港周辺を観光した事はあるが、身近な町ではない。
ただそれでも、何となく「この町らしい」イメージは掴むことができる。
この日初めて降りた「大森町」という駅も僕がイメージする「この町らしい」のイメージと合致した。
起伏無き街並。
新旧の建物がカオスに入り混じる風景。
存在意義が問われ始めているような商店街。
派手なカラー写真で残すには、色が合わなくてかっこ悪い。
白黒写真で残すには、寂れた面が目立って申し訳ない。
そういう風景を眺めながら、小さなラグビーグラウンドにたどり着いた。
東京ガス大森グラウンド。
試合はトップイースト開幕戦、東京ガス対秋田ノーザンブレッツである。
試合の内容を簡単に記せば、「働き者」が揃った東京ガスのFW陣が最大の功労者という事に尽きる。
セットプレーとブレイクダウンであれだけ優位に立てれば、試合運びは楽であろう。
秋田に関してはセブンスチックな「スタンディングラグビー」を指向しているのだろうが、繋げられる、走りきれる選手がアラスカ・タウファだけでは厳しいか。
少し話は遡って試合前、東京ガスがどういうチームかを調べようとホームページを覗いたところ、キャプテンの今森選手のインタビューが掲載されていた。
仕事への取り組み
色々と考えさせられる話が多い。
「競技と仕事の両立」と簡単に言うが、どちらも中途半端ではない事がわかる。
「試合を平日にやって欲しい」のくだりはいちラグビーファンとしても驚いたが、それはどちらにも負荷を強めているからこそ、浮かんでくる思いなのだろう。
プロフェッショナルな要素が求められる昨今のラグビー界とは、少しかけ離れた世界にみえる。
一応20代の自分としては、「セピア」という概念は「懐かしい」「甘酸っぱい」というよりも、単なる「過去」の意味合いを有している。
それは自分の思い出では無く、単に第三者的な視点から見ての「過去」である。
しかし、今風で美しいカラーや、同じ「過去」でも緊張感が伝わる白黒には、合わない被写体もある。
東京ガスラグビー部はこの街と同じく、「穏やかなセピア色の風景」に染まっていて、かつ似合っている
0 件のコメント:
コメントを投稿