2013年12月4日水曜日

【プレイバック・中大ラグビー】 2010年シーズン 松下組編

この昭和を感じるスコアボードも無くなったとのことで…


早大との対決に懐かしさを感じる…という事は先のエントリーにて記した。
もう1つ、今年のグループリーグにおいて、個人的に縁を感じることと言えば、初戦を瑞穂公園ラグビー場で迎えられるということである。
2010年12月、松下組にて久々の選手権出場を、この瑞穂の地で果たした…とまで言えば聞こえは良いのだが、どちらかというとほろ苦く、悔いの残る試合であった。

少なくとも、あの試合は出鼻から挫かれた印象である。


「セカンドかよ…」





真っ白のジャージーを着て出てきた選手たちを見て、期待感は急速に萎んでいった。
この年は特に、白いジャージーに良い思い出が無かったのである。




【リーグ戦成績 4位】
○対法大 39-19
●対東海大 7-79
●対関東学院大 6-41
●対流経大 12-47
○対大東大 17-14
○対日大 12-7
○対拓大 21-3

【大学選手権成績 1回戦敗退】
●対明大 5-68


シーズンを簡単に振り返ると、開幕戦の法大を圧倒。
強豪との試合は3連敗したが、残り3試合は僅差の逃げ切り、逆転勝ちと好内容。
リーグ戦4位で選手権への道が開けた。

実を言うと社会人1年目だった私は、生活環境の変化もあり、この年はあまり中大の試合へ足を運べずにいた。
リーグ戦で見れた試合は2つのみ。
関東学院大戦と日大戦である。



両者の印象は極端に異なる。
前者は前半は粘り強い守備と松下のPGで6-17で折り返すも、後半から守備の出足が悪くなる。
結局後半は4トライを奪われて、6-41の完敗に終わった。





うって変わって、選手権出場権を賭けた日大戦は壮絶なものだった。
7点リードで迎えた後半39分、攻め込まれた中大はタカウにトライを奪われ、同点とされる。
ここなら気持ちが切れそうなところではあるが、松下組は全く慌てていなかった。

キックオフから丁寧に攻め、すぐさまペナルティを奪う。
時間を確認し、この試合有効だったモールを選択。
日大も粘ったが、最後は山下(現NTTコミュニケーションズ)がトライ!
絶望から一転、歓喜の瞬間はすぐに訪れた。
「松下組は強くなっている」 …その時はそう疑わなかった。


届かなかった「真の強さ」


さて、話を肝心の明大戦に戻そう。
試合前に感じた不安は、残念ながら的中してしまった。
フィジカルに勝る明大に対し、ディフェンスも後手後手に回る。
特にWTBの佳久(現トヨタ自動車)には手を焼いた。
前半終了間際に大塚大輔がトライを返すも、焼け石に水。
小山田組が苦しみながらもオールアウトに繋げる事ができたのに対し、松下組は「予感」を膨らませただけで終わってしまった。




歴代のチームと比べても、勝負強かったし、個性もあった。
紹介した日大戦だけでなく、大雨のムサリクで守りきった大東大戦も非常に評価が高い。
(私は諸事象で観に行けなかったのだが…)

選手も4年生を中心に、非常に能力の高いものが揃っていた。
抜群のゲームメイク・松下、ハードタックラーからWTBへ転身した大塚大。
FWでは烏田と山下の第3列が豊富な運動量で支えた。
各学年に主力がおり、ルーキー・羽野一志も期待通りのデビューを成し遂げた。

でも、印象度で言えば「薄い」部類に入ってしまう。
その原因は、東海大や関東学院、そして明大戦のように、強い相手と対峙したときに萎縮してしまう姿の方があったからではないだろうか。
「真の強さ」を得られなかった事が、今となっては非常に名残惜しい。

去年の関東学院大戦と今年の東海大戦で、私のセカンドジャージーに対する悪い意識は大きく薄れたと感じる。
もちろんデザインも、幾分かは格好よくなった。
果たして今年の選手権では、セカンドジャージーを身にまとうのであろうか…?
少なくとも、どんな格好であれ、試合後にオールアウトした表情を見せて欲しいというのが、いちファンのささやかな要望である

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