2015年10月31日土曜日

【車いすラグビー】IWRF アジア・オセアニアチャンピオンシップ2015を観戦しに行ってみた



世界を目指すのはユニオンやセブンズだけじゃない! ウィルチェアもだ!!


……てなわけで、今日は千葉市にある千葉ポートアリーナにて、ウィルチェア(車いす)ラグビーの観戦に行って参りました。
このウィルチェアラグビー・アジア・オセアニアチャンピオンシップはリオパラリンピックの地区予選も兼ねており、既に出場権を得ているオーストラリアを除く上位1チームにリオへのチケットが与えられます。
日本代表は世界ランク4位で、実は強豪国なのであります。初日はニュージーランド、韓国を危なげなく下し、更に午前中に行われた豪州戦も勝利! この調子でパラへの切符獲得&優勝で大会を終えて欲しいところです。

ルールを簡単に紹介すると、

・1チーム12人で、4人対4人
・障害の程度により0.5から3.5のポイントが付与され、ピッチ上の選手合計で8.0以内に抑える
・8分のピリオドで最大4回。試合時間は結局90分くらいかかる
・オフェンスは40秒以内に攻撃。一人がボールを持てる時間は最大10秒まで。それまでに、ドリブルかパスを選択する
・パスは前に投げてオッケー
・ゴールラインを超えると1点

というのを覚えておけば、ひとまず観戦には困らないでしょう。
コートの大きさはバスケ、ボールはバレーボール、前に投げるパスが良いのはアメフト、キルプレーの概念があるのはアイスホッケー…といった具合に、「ラグビー」と題されてはいますが、実は色々なスポーツの要素をミックスさせた新感覚のスポーツとも言えるでしょう。(発祥の地がカナダなのも影響しているかも?)

そんなわけで、今回の記事は僕が感じた「ウィルチェアラグビーの魅力」を2つご紹介したいと思います




①車いすによる「タックル」がスゴい!



池崎のタックルで車いすが宙に浮く!

ラグビーの競技名どおり、ウィルチェアラグビーの花形プレーはやはりタックルだと思いました
競技用の車いすは頑丈に出来ており、ぶつかった際の「ガシャン」という音は会場内でも非常に響いていました。
会心のタックルが決まると相手の車いすが浮き上がったり、転倒する選手が出る場面もちらほら。また、後輪車軸へのタックルは「スピニング・ファウル」と言われており、反則を犯した選手は1分間の一時的退場を食らってしまいます。そこらへんは「危険なタックルからのシンビン」と同じ原理ですね。

②「ポイント制度」が戦いの幅を広げる!



この日大活躍の豪州代表主将・バット選手

障害の程度により、プレーヤーには「持ち点」が設定されています。ドリブルができる、腰をひねれるといった程度の軽い選手ほど持ち点が高い一方、ボールを持つのも苦労がいる選手は持ち点が低くなっています。
そして、コート上の選手が4名合計8点以内で編成されなければならないのです。
「障害の程度でポイントが決まるとは…」と試合前は思ってしまったのですが、なるほど、このポイント制がウィルチェアラグビーの戦略に大きな影響を与えているのです。

例えば日本代表の場合、【3点+2点×2人+1点】といった具合に「ポイントのばらつきを抑えるチーム編成で韓国戦は戦い抜きました。点差のついた第4ピリオドは2点×4人でプレーしていたくらいです。
点差の少ない選手で固めることにより、チームプレーが機能しやすくなります。全ての選手がアグレッシブに動き、パスを展開してトライを奪う。なんだか、本家のラグビー日本代表と通じるところもありますね。

対する世界ランク3位のオーストラリア代表は【3.5点+3点+1点+0.5点】という編成で、持ち点にばらつきがあります。
持ち点の低い選手は守備に徹し、相手の高得点選手を徹底マークします。その一方で、高い選手は自由奔放にパスを出し、素早い動きでピッチを切り裂きます。オーストラリア代表はロングパス→追いついたルイスのランというプレーを繰り返し、ニュージーランドから勝利を挙げました。ハイパントからウイングがボールを奪ってダッシュ…というイメージに近かったですね。

故に、「持ち点が高い人の華麗な技」はもちろん、「持ち点が低い人の奮闘」もじっくり見て欲しいと思っております。プロップやロックが熱く激しく体を張っているように、ローポインターも奮闘しているのです。


池選手もジャパンの注目選手です

さて、明日は予選最終日です。ここまで4連勝の日本代表は決勝に進出し、パラリンピックに大きく近づいているのは間違いありません。
(ニュージーランドの3位以下は現時点では確定していませんが、ひとまず明日オーストラリアが試合に出さえすればオッケーです)

ぜひとも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、千葉ポートアリーナでも「ラグビー日本代表」に声援を送って欲しいと思っております!

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