勝者は勝った心地がしないゲームであり、敗者は敗れるには勿体ないゲームをしたと思っただろう。
試合内容の差が点差に結びつかなかった一戦だった。
序盤は中大ペース。浜岸のロングキックで陣地を稼ぎ、力で勝るモールを押し込む。「いつもの前半の戦い方」で挑んだのだが、攻撃時にミスが相次ぎ奪えたトライは1本だけ。専修ディフェンスが前へ前へと強い圧力をかけていたのにも対応できていなかった。
何とか5-0で折り返したのだが、前半に突き放せなかったことが後半に暗い陰を落とす。
後半16分、住吉のビッグゲインをキッカケに大外へと展開し、赤池がこの日2本目のトライを奪う。「何とか一歩前進」と思ったのだが、専修大は「反撃の火種」をまだまだ残していた。
直後のキックオフの処理をミスすると、専修大が怒濤のパスワークをみせる。小さなパスを手際よく繋ぎ、中大のタックラーに的を絞らせない見事な攻撃だった。
あっという間に2本のトライを奪い、同点。アップセットを覚悟した中大ファンも多かったに違いない。
その空気を打ち破ったのが伊藤大地のインターセプトだった。専修のハイプレッシャーを逆手に取った一撃は、相手選手の戦意を殺ぐには充分だった。
試合終了間際にも追加点を挙げ、26-12で勝利。しかし、中大ベンチからの「歓喜のブギウギ」がお預けになったことを踏まえると、誰一人満足できない内容だったことが伝わるのであった。
内容に差が出た要因を考えると、中大側はファーストタックルの精度の低さであり、専修大側はパスのテンポを早いまま保てたというになる。これは表裏一体の関係とも言えるだろう。
専修大は大東大戦も少し見たのだが、今時珍しい「バックス偏重」のチームだと再認識させられた。高い位置からのディフェンスと守備をさせる暇を与えないパス攻撃は、大柄の選手にどう立ち向かうか? という命題を追究している多くのチームにとって「対峙した経験に乏しい」モノではないだろうか。
現時点では個の力の壁に跳ね返されてしまっているが、このラグビーが一層進化していくことを考えてしまうと、いち相手として正直ゾッとしてしまう。
村田亙氏の指導力に今後も注目していきたい。
これが浜岸の「ルーティーン」か…と、ちょっと思ってしまった笑
「勝って反省」と言うと聞こえは良いが、流石に今日は色々と疲れる試合だった。「油断していたのでは?」と勘繰られても仕方が無い出来である。
前半我慢で後半勝負…というのも良いのだが、残り2試合は下位チームとの対戦だ。もっと前半からアグレッシブに仕掛けても良いのかもしれない。
今日の試合で高が復帰し、バックスの駒も徐々に充実してきた。春先に見せた展開ラグビーに、もう少しチャレンジしても良いのかもしれない
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