2015年11月28日土曜日

【中央大学ラグビー部】関東大学リーグ戦を終えての個人的総括



中大にとってリーグ戦は「良き鍛錬の場」となった事だろう。上位2チームには勝てなかったものの、個人とチームが得た成果は、大学選手権でより一層花開くと願いたいところだ。

山梨学院大戦はいわゆる消化試合となってしまった。中大が勝っても3位のままであり、山梨学院が勝っても最下位のままである。
そんな状況ではあったが、スコア、内容共に充実していたのは中大だった。前半で5トライを奪い試合を決めると、後半も自慢の攻撃力が爆発。控えメンバーに経験を積ませつつ、好内容で10トライ。97-3の圧勝で試合を終えた。
また、怪我明けのフランカー・小野やウイングの高が好プレーを連発。大学選手権に向けて弾みをつけたのも心強い。まだまだけが人は散見されているが、3週間の長いインターバルを充分に活かして、ケガ人の復帰とチーム力の向上を目指して欲しいところだ。

過去2年と比較しても、中大ラグビー部の充実ぶりはなかなかのものがある。勢いで躍進するも、選手層の薄さで息切れした山北組。チームビルディングが遅れ、何とか選手権にたどり着くも実力不足を露呈した檜山組。今年の山下組は、過去2年の苦杯を充分克服したチームだと言えるだろう。






Bチームから這い上がった黒崎。後半のギアチェンジの役割を担う


春シーズンから継続されたアグレッシブなラグビーは、シーズンが深まるにつれて良化している。最初の2戦は実力伯仲故に我慢の試合だったが、ラストの2戦は意図する攻撃を多数見る事ができた。
去年のモール、ディフェンス、浜岸のPGはベースとして残っているが、そこに運動量を機軸とする展開ラグビーのエッセンスも加えられた。特にフィットネスの強化は大成功と言えるだろう。後半も息切れせず、逆に相手を突き放す様は多くの中大ラグビーファンを安心させるものだった。

中大は前半と後半で違うチームになる。このポイントも相手にとって驚異となるはずだ。
そのスイッチはスクラムハーフの2人が担う。前半はフォワードを動かす事に長けた長谷川。じわじわと攻める攻撃は、守備に追われる相手にとってボディーブローのように利いてくる。
後半は自ら動くタイプの住吉。まさに「スーパーサブ」の一言に相応しい選手だ。体力を奪われた相手にとって、ところかまわず駆け回る彼の存在は絶望に近いものがある。
また、住吉の他にも体格に似合わない激しさを持つ天田や、華麗なパスワークが目立つ黒崎など、交代選手の幅が広がったのも特徴だろう。競争が激しい3列目においては山下主将がベンチの時もある。だが、交代で入ったときにピッチとスタンドの熱量が一気に上がるのは心強いの一言だ。

充実の一途である中大に立ちはだかるのは、6連覇継続中の帝京大だ。昨年の春は7-82の大敗を喫している。多くの人々が順当な結果を予想しているところだろう。
しかし、日本ラグビー界でジャイアントキリングが年に2回あっても良いと思うのだ。道のりは険しいというのは重々承知しつつも、何かしらの傷跡は相手に残せる体制は着実に築かれている

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