2015年12月18日金曜日

【中央大学ラグビー部】大学選手権 対関西大学戦の個人的雑感



勝ち点は最大限獲得することが出来たが、試合内容は残念ながら「今季ワースト」と言わざるを得ない。前半の苦戦、後半の復調から導き出される答えは、大学選手権は難しい舞台であり、かつ総力戦で挑まなければならないということだ。

スターティングメンバーを見て「おっ!」と思ったファンは少なくないだろう。普段はスーパーサブとして待機しているSHの住吉が、この日はスタメンを飾っていた。苦手な前半の立ち上がりも自ら仕掛け、終始優位に試合を進める――という算段である。

が、これが見事に失敗した。
前半開始早々に住吉のミスでトライを奪われると、その後の攻撃もテンポが上がらない。スピーディーな展開攻撃を続けるも、逆に相手の出足の早いタックルの餌食に……という展開がひたすら続いた。
選手個々の問題というより、勝負に出た割には準備不足というのが炙り出されてしまった感がある。ストレスフルな展開が続く中、前半は7-12の5点ビハインドで折り返した。




指導陣の檄も飛んだのだろうか(?)、後半は見違えるほど良いラグビーになった。交代出場のSH長谷川は冷静にボールを捌き、関大ディフェンスからスピードを奪う。前の試合から好調のFL小野、WTB高も見せ場をつくった。いつも通りのプレーが出来れば、それほど苦労する試合ではないはずなのだ……。
後半は3トライを奪取し、失点はゼロ。最終スコアは24-12だった。

前半と後半で異なるチームになる、というのが今年の中大の特徴なのだが、この試合は悪い意味で「別のチーム」を見せつけられたきらいがある。
鍛えてきた「攻撃的ラグビー」で相手を圧倒するつもりだった前半。しかし、関大の素早い守備、そしてそこからのテンポの良いパスワークとの食い合わせを考えると、前半からぶつけるべきではなかったと思う。相手の素晴らしいプレーがあっての苦戦ではあるが、中大はゲームプランを間違えてしまったと言わざるを得ない。
また、一部の主力選手の硬い動きも目についてしまった。3週間のインターバルだと、やはり試合勘が鈍ってしまうのだろうか。




とはいえ、勝利を見事手にしたこと、そして来週の法大も得意とする「スピード溢れるラグビー」に体を慣らせたのは収穫だ。連勝で最終戦を迎えるために、抜かりなく準備を進めて欲しいと願うのみだ。

グループリーグの初戦は少なからず波乱があった。大東大、同大、天理大がそれぞれ、筑波大、慶大、早大に勝利を収めた。帝京大を中心とする対抗戦勢が優勢だった大学選手権において、徐々に地核変動が起きているのではないだろうか。

だからこそあらゆる力を集結させて相手と戦い、そしてチームと個々人が開幕戦よりもより成長した姿を示さなければならない。大学選手権は一筋縄ではいかないという経験が、第2戦でより活かされることを期待したい

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挑戦者にも喝采を
挑戦者にも喝采を
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