2016年1月16日土曜日

セルフパブリッシングでスポーツを残すことについて

響斗七さんの「名馬九景」を読み終えました。


名馬九景
名馬九景
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以前読んだ名馬図鑑でも思ったのですが、やはりチョイスがウマい、いや上手いというのが第一印象です。競馬勉強中の自分としても、二線級の名馬を知れる貴重な一冊。また読み返した上で、本格的なレビューをば…

さてさて、これを読んでいるときにふと思ったのです。「こういうマイナーな話をたっぷり読めるのは、やっぱりセルフパブリッシングならではなのかなあ」と。




最近はとんでもないことになっておりますが、僕がずっと追いかけ続け、そして書き続けているラグビーも「マイナー」なスポーツでした、いや、まだマイナーだと思っています。
本屋にラグビー本が溢れかえり、W杯の感動とかエディ・ジョーンズとか五郎丸とかを延々と語り継いでいる一方で、ラグビー界がどういうプロセスで歩んでいるのか/いたのか? を振り返る本は殆どみかけません。
2015年9月を境に、「語り継ぐラグビー」と「記録の海の底に沈むラグビー」の2種類に分かれてしまった感もあります。水面に糸を垂らしても、珍しい魚は釣れないぞ! と言いたいところです。

そんな流れに対し個人的に悪あがきをしてみたのが、先日出版した「ラグビー選手になりたかった」という一冊です(って、結局宣伝かよ! という皆様の意見を耳にしつつ)

セルフパブリッシングが既存の商業出版では相手にされない情報を捕らえ、この世に送り出す。だからこそ、そこで生み出されるものに共感してしまうのです。そして、マイナースポーツ、マイナーチームの関係者にとっては、作家として知っている情報を送りだしたり、あるいは読者として受け止めたりすることのできる大チャンスが広がっているではありませんか!

が、その一方でセルフパブリッシング故の問題があります。商業ベースではないからこそ、お金にならないのです…(涙)
まあ、そりゃラグビーの本ならエディやら五郎丸のモノを売りたくなる/買いたくなるのが世の常です。
マイナーという枠内でセルフパブリッシングが可能性を秘めている一方で、マイナーからメジャーへとブレイクスルーするには、やっぱり何かしらの労力を費やさねばならない。このジレンマはスポーツ界にとっても課題だと痛感しています(僕の本の売り上げを見ていると尚更)

現在、セルフパブリッシングを積極的/継続的に活用しているスポーツライターは、プロアマ問わずそれほど多くはありません。色々と細かい事情があるのかもしれませんが、少しもったいない気もします。
作家主体だからこそ、伝えられる、そして残すことのできる情報があるはずです。空振りに終わるかも知れませんが、まず大事なのは「記録として残すこと」なのです。その記録が多様であればあるほど、ファンの記憶として残り、今後も語り継がれる可能性を生み出してくれると思っています。

記録が残り続ける限り、スポーツを楽しい物語として消化してくれるファンがいる。そんなことを信じながら、僕はこれからもセルフパブリッシングという手段でスポーツを残し続けていきたいところです

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