もう一度、原点を思い出す試合になると思う
2011年6月26日 日本代表対トップリーグ選抜の試合前より
オールブラックスと、日本代表が対戦する!
海外ラグビーについてはさっぱり明るくないが、それでもオールブラックスというチームと対決できるというのは、名誉だと感じるし、不思議とわくわくしてしまう。
さて、事前の報道を見ていると、関係者や選手達の口ぶりは「オールブラックスに勝つ」で統一されている。
非常に頼もしいのだが、正直こうも考えている。
流石にそれは…
選手達の意気込みはわかるし、自信が付いているのは良い事だ。
でも、現実的に考えれば考えるほど、勝利に辿り着くのは容易ではない事も解る。
勝利や善戦どころか、このオールブラックス戦及び欧州遠征は、エディジャパン(ワイズジャパン?)にとって1つの試練になるかもしれない。
しかし、試練から目を背ける事こそ、最も避けたい事だ。
期待と熱狂に心躍らせつつも、最悪の事態は考慮しておくに越したことはない。
理想と現実。
その折り合いを試合前に決着させておこうと思い、少し長めのプレビューを記していきたい。
「2015年へ向けた視点」「ABs戦+欧州遠征という視点」「この試合に対する視点」。
以上の3つで話を進めようと思う。
1.2015年への位置づけ ~チームを「壊す」好機~
いきなり壊すとは何事だ?と感じる人も多いと思うが、「これまでの2年」と「これからの2年」を考えた場合、ここがチームビルディングにおいてキーポイントになると思う。
「これまでの2年」は紆余曲折ありつつも、順調だった。
昨年はチームの戦術・戦略における土台を形成し、今春はウェールズ戦以降一定の成果を出す事が出来た。
キャプテンシーが板に付いてきた廣瀬主将や、田中史・堀江のスーパーラグビー組を中心に、土台となる選手もはっきりしてきている。
しかし、成功体験がマンネリズムを生みかねないのも、様々な歴史が証明している。
JKジャパンも新陳代謝が上手くいかなかったのは、記憶に新しいところだ。
それを乗り越えるには、内部から変わっていくか、外部からの強烈な圧力で「変えざるを得ない状況」に立たされるかの二者択一になる。
つまり、オールブラックス戦は後者のシチュエーションになる可能性が高い。
相手が生半可では無い分、シビアな現実が突きつけられるが、その一方で新たな可能性や道のりを探るキッカケにもなる。
その生存競争に生き残るためにも、スコッドの面々も口先だけでは無いプレーと姿勢を見せて欲しい。
2.ABs+欧州遠征での目標 ~“勝ち点10以上”奪えるか~
第1戦が最強の相手、第2戦がスコットランド。
そして第3戦、4戦がマストウィン…と言う具合に、今回の5試合はW杯本番と似たスケジューリングで行われる。
(本遠征では間にグロスター戦を挟むが、これは負荷耐久テストという側面で組んだのではないだろうか)
数値目標を考える。W杯に倣った設定をするならば「勝ち点10」だろう。
無論、後ろの2試合で圧勝しても達成可能だが、始めの3試合でも1~2は欲しい。
目標を達成するためには、どのように好スタートを決めるかがキーになる。
負荷の強い最初の3試合で自信をつけて、残り2試合での勝利+内容の二兎を得たいところ。
達成へのキーワードを挙げるのであれば、「リバウンドメンタリティー」ではないだろうか。
現時点でも、指揮官不在やけが人多発という事態が起こっている。
これらの難所をどのように乗り切るチームになれているのか。
底力が試される5試合になりそうだ。
3.オールブラックス戦の個人的着目点 ~純粋に「差」を捉える~
打倒オールブラックスに向けて、戦力の底上げや戦術の浸透が図られていると思うが、それでもオールブラックスの壁は果てしなく高い。
今回の試合は、「何が通用して、何が通用しなかったか」…要するに「世界との差」を早い段階で知る好機ではないだろうか。
私個人としては、今年は様々なラグビーの現場にて「個の力」を考えるようにしている。
世界最高水準の基礎力を身に付けたチームは、ジャパンに対してどのような「個」を見せ付けるのだろうか?
そして、それに通用するジャパンの「個」はどのようなものか?
今後トップリーグや大学ラグビーなどを見る際においても、良い物差しを得られるように心がけたい。
【おまけ】ゴール裏の雰囲気について
殆どの席が指定になったため、自由席は神宮寄りのゴール裏のみになってしまった(ちなみに立見席)。
様々な事前情報を集約すると、普段応援を熱心に行っている方はそちらに集まるようだ。
要するに、サッカーではお馴染みの「ゴール裏」の雰囲気が、少なくとも私が知る限りでは初めて形成されようとしている。
残念ながら、私は指定席でゆっくり見る予定である。
ただ、ゴール裏から熱気が届いてくれるだろうと…今回ばかりは身勝手な期待を寄せておこうと思う
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