2014年4月24日木曜日

「純粋な実力差」について ~関東大学ラグビー春季大会 中大対帝京大戦試合雑感~


盤石な強さを見せつけられて…

【試合寸評】 帝京大82-7中大@帝京大学ラグビー部グラウンド


スコアだけ見れば「もうダメだ!」と悲観的になりそうだが、実際に試合を見た者の感想は少し異なる。

まず、中大のプレーヤーはこの試合、気持ちが切れていたのか?
否、非常に高いモチベーションで、相手を恐れず立ち向かっていたと思う。
低いタックルで相手と対峙し、接点ではターンオーバーや相手ペナルティを誘っていた。
前半で帝京が与えてしまったペナルティは「6」。
中大がビビッていたら、この数字は出せないはずだ。






しかし、点差は開いた。
特に後半は個人の差よりも、チームの差が目立つものだった。

接点に集中するあまりシェイプができず、SH長谷川を起点とする遅攻が決まらない。
同様に、ディフェンスも大外に人が配備できず、「数的有利を形成して粘り強く相手の攻撃を止める」ことができない。
昨年できたことが全く通用しないどころか、形として見せることすら出来なかった。

帝京の強さはBチーム通しの練習試合でも垣間見れた。
個々のスキル差はもちろんだが、最もショックだったのは「Aチームと全くおなじかたちでやられてしまった」ことである。

個人の力ではなく、チームの一体感を保ちながら戦う。
それは中大も帝京大も目指しているところだ。
しかし、中大は点では通用できても、面では散々だった。
そして、結果的には帝京の懐の深い強さにやられたのである。




試合後、公式サイトに載っているスタッフや選手のコメントは少しポジティブな内容だった。
スコアは開いた。
しかし、手応えは少なからずある。
自分もそう思った。
果たして、この相反する感情は何なのだろうか?

一つ推測するならば、中大から勝手に気持ちの面で崩れたのではなく、帝京とがっぷり四つで組んで投げ飛ばされたからこそ、この心境に達したのではないだろうか。
だからこそ、今回の75点差は「両者の純粋な力の差」であり、重い事実である。

この力を埋めるためには、コツコツとチームスタイルを形成し、組織的なチーム力を高めていかなければならないだろう。
気の遠くなるような話だが、それをやってきたのが帝京大ラグビー部ではないだろうか。

幸いにも、檜山組にはまだ半年以上の猶予がある。次に帝京と会い見えるときには、がっぷり四つで長々と粘りたいものだ

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