2014年12月15日月曜日

成長の先を見据えて ~第51回全国大学ラグビー選手権 中大対慶大戦雑感~


がっぷりぶつかり、最後は息切れ…


【試合寸評】中大 14-34 慶大


前半は一進一退の攻防。両者キック、モール、ディフェンスに強みを持つミラーゲームとなった。
ここまでは十分に中大の実力を出せていたのだが、後半は一転して経験値の差が出てしまった。

後半にゲームプランの修正を慶大は行う。
ブレイクダウン、そして素早いBK展開は中大のスタミナを大きく奪う。3トライを奪い、後半は差を見せつけた。
MOMはやはり青木だろうか。セットプレーはもちろん、走りのスピードも目を見張るものがあった。




中大の分岐点は後半30分過ぎからの攻防ではないだろうか。
14ー27で点差は13点。慶大の陣地深く。残り時間は少ないが、1本のトライでボーナスポイント圏内となり、「あわよくば」も期待できる。

選択肢はもちろん得意技のモールだった。しかし、前半の慶大とは異なり、低い姿勢から突き刺さるタックルが前進を阻む。もどかしい展開が続いた。
このシーンが続くなら、敢えて交代した直後のSH住吉を生かしてBKに展開しても良かったのではないか?
そんな考えがふとよぎった。しかし、そんないちファンの思いなど聞いていないかのように、ひたすらモールを押し続けた。
後半35分、モールは崩れ、ボールはこの日絶好調の慶大PR青木が奪い去っていった。
中大は自陣に戻れるだけのスタミナを残していなかった。




なぜ頑なにモールに拘ったのか。
もちろん、ゲーム内の選択肢は沢山あった方が良いに決まっている。
考えられるのは、「セオリーを崩して失敗し、後悔する」くらいなら「ひたすらセオリーを真っ正面からぶつけて失敗し、後悔する」方が良いということではないだろうか。
試合後に不思議と前向きな姿勢を首脳陣、選手たちが見せていたのが、ちょっと気になっている。

より逞しくなるために、強い相手とぶつかり、自らとの差を知る。
その一方で、勝利という最大限の成果を得なければ、真の成長とは言い難い。
グループリーグと言う貴重な3試合はどれも無駄にしてはいけない。
手応えともどかしさを突き抜けて、果たして檜山組は目指すゴールに辿り着けるのだろうか

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