2015年9月18日金曜日

【ラグビー】関東大学ラグビーリーグ戦 中大対法大戦レビュー&大東大戦プレビュー



苦しみながらも結果的には快勝に終わった法大戦。勝負の分かれ目は後半27分の佐野のトライだったというのは言うまでもないだろう。

そのスクラムまでに至る流れが非常に興味深い。まず、前半は相手がペースを握る時間も長かった。法大の激しいディフェンスに手を焼き、春に見せた素早いアタックも不発だった。
そこから中大は方針を転換する。BKではなくFW戦で勝機を見いだそうとしたのだ。
確かに、スクラムは安定していたし、モールは去年の遺産が残っている。ケアレスミスが続いていたので、得点を奪うのは前半ロスタイムまで待たなければならなかったが、「こう攻めたい」という意志が見られなかった法大との差は次第に浮き彫りになっていた。

後半は住吉らの投入により、徐々に攻撃のテンポを上げていく。点差は1点だったが、体力的な余裕は持って戦っていた。対する法大は、次第に足も止まり不用意なペナルティが増えていった。
そして、後半19分に相手がシンビン(10分間の一時的退場)を出していた時点で流れは大きく中大に傾く。序盤から中大がスクラムを五分以上にコントロールしていたとは言え、さらにFWが一人少ないとなると与えるダメージは大きい。スクラムトライにはならなかったが、こぼれたボールを左右に展開し、最後は佐野が飛び込んだ。

このように、中大の行ったことは「強みを生かしたリアクションラグビー」だと言える。前半は相手にラグビーをさせず、後半は相手の弱みを自らの強みで突き破る。攻めの手札が多い分、今後も頭を使ったゲームメイクで勝利を増やしていきたいところだ。




次の相手は大東大。酒井HCが中大に移って以降、何かと因縁多き試合が続いている。
開幕戦も後半だけ見たが、サウマキ、ラトゥ、戸室らの破壊力溢れるBK陣は驚異だが、その一方で専修大の素早いパスワークに思わぬ失点を喫していた。良く言えば自由奔放で予測不能、悪く言えば雑である。
そう考えると、中大もパスワークで勝機を見出す戦い方をしてくるのだろうか? 例えば、SHやWTBのスタメン起用に注目すると面白いのかもしれない。変幻自在のゲームメイクで、「上柚木神話」の継続を目指していきたいところである。






ところで、この試合のMOMはFLの佐野で間違いないだろう。とにかく、攻守に渡り「狂っていた」と表すべき活躍である。
守備のスキルは去年からお墨付きだったが、この試合では攻撃でも活躍の機会が増えており、あのトライも「なぜ大外に!?」の一言に尽きる。
「有望な大学生は早くプロに!」と容易くは言いたくないのだが、こと佐野に関して言えばより大きな相手、より強い相手と立ち向かって欲しいと感じてしまうのだ。
まずは目の前の大東大戦、より狂気を漂わせる佐野に出逢える事を楽しみにしている

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